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上演作品

主な対象:小学生

赤ガラス大明神

さねとうあきらの創作民話 おら、生まれ変わったら村の守り神になるんじゃ。
上演時間:約60分(休憩なし)

赤ガラス大明神
『赤ガラス大明神』舞台写真

お話

おら、生まれ変わったら村の守り神になるんじゃ。

 山奥のジロベエ谷に赤いカラスが住んでいました。羽の色が赤茶けているものだから仲間のカラスからは、赤ガラスと呼ばれ嫌われていました。
 大雪の降る正月のことでした。仲間のカラスから命令され里へ食い物探しに行った赤ガラスは、ほこらにお供えしてある、あずき餅を見つけます。
しめた!とばかりにあずき餅に近づくと、
「神様、待ってただよ。」
と声がしました。
 それはシカと名乗る小さな女の子。正月に、山のほこらにあずき餅を供えておくと神様が来て何でも願いごとを叶えてくれる。死んだばっちゃが言ったその言葉を信じ、神様に会いたい一心でほこらに来たと言うのです。
「神様、おらの願いをきいてけれ。お母の病気を治してやりてえんじゃ。」
神様に間違えられてしまった赤ガラスは、戸惑いながらもシカの願いを叶えようと必死になります。
赤ガラスはうれしかったのです。自分を頼ってくれることが。
 そして夏になりました。雨の降らないその村は、ひどい日照りになり、食べる物もなくなりました。シカは赤ガラスにむかってこう言いました。
「生まれ変わったらカラスになりてえ。カラスになって、おめえ様みたいな村の守り神様になるんじゃ。そんでな、村に水ザブサブ流してやりてえ。」
その言葉は赤ガラスの心に響きました。
「おら、なってやる!村の守り神様になってやる!水ザブサブ流してやるぞ!」
 シカのために、村の人たちのために、赤ガラスは必死に水を求めますが・・・。


原作:さねとうあきら 脚色:久野由美 
演出・ふじたあさや 
音楽:川崎絵都夫 美術:矢羽田輝伸  振付:坂東冨起子
照明:坂本義美 衣装:山土井志麻 音響:山北史郎 狂言指導:善竹富太郎 
制作:上保節子

舞台写真

感想

子ども達から届いた感想

  • 今日見せていただいた『赤ガラス大明神』はただのカラスと同じ大きさなのにとても大きな心を持っていて、最初はただのどろぼうガラスかと思ったら、とても心のやさしいカラスだとわかって最後にはとても感動しました。シカや村のみんなのために、竜神のために、大岩を動かそうとしてケガをしていても必死に岩を動かし続けていて、とても大きな心の持ち主だと思いました。そして、シカたちのやさしい気持ちは、ぼくたちにも伝わりました。
  • 赤ガラス大明神のげきを見て、少し悲しいお話だと思いました。なぜなら、赤ガラスは、みんなとちがって赤色だからみんなにきらわれているからです。でも、シカに会ってから、村の人と仲良くなって良かったです。竜神とも協力しあって雨も降らせました。赤ガラスはいつでも村人の平和を願っていたので、本物の神さまじゃなくても、村人にとっての神さまだなぁと思いました。

愛知県 岡崎市 小学校

  • わたしは、はじめてたんぽぽげきだんを見て、声の大きさ、音の出し方がよくわかりました。はじめはカラスは少し悪かったけど、だんだんやさしくなってきて、動物でも命の大切さがわかりました。シカちゃんもお母さんのために、さむいときもあついときもがんばって、お母さんを助けようとしたのがすごいと思いました。
  • 赤ガラスは最初きらわれていたけど、人を喜ばせたくて必死にやっていて、とても心に残りました。傷ついても人の役に立ちたいという気持ちがすごく伝わってきました。

静岡県浜松市 小学校


先生方から届いた感想

  • ストーリー的にもとてもわかりやすく、低学年の子どもたちもしっかり内容がわかったと思います。「だれかのためにがんばる」「みんなの喜ぶ顔が見たい」そういう赤ガラスの姿に、私達教師もたいへん感動し、また自らを振り返る時間にもなりました。今の時代、「自分さえ良ければいい」という自己中心的な人が残念ながら増えてきています。小学校時代にこのような主題の劇を見られることは大変ありがたく、価値のあることだと思います。どの子もいい表情で夢中になって見ていました。1時間あきることなく集中していたのは、劇に引き込まれていたからだと思います。はじめて劇を見た子もたくさんいましたが、歌声の迫力、さまざまな楽器の音、効果音のおもしろさを気に入り、また劇を見てみたいと感想を持つ子どもがたくさんいました。特別支援学級の2年生の児童もとても「楽しかった」と言っていました。普段の言語があまりない児童ですが、とても楽しく見せていただいたようで、教室に帰ってからも少し興奮気味でした。演劇をして下さる方々の姿の一生懸命さは心を打たれるものがありました。

静岡県藤枝市 小学校

  • 劇が終わった後、子どもが「(劇団の人に)また会える?」と別れを惜しむように聞きました。物語の良さと共に劇団の方たちの熱意が子ども達に伝わったことを感じました。また、子どもたちは今後も様々な表現の場を体験していくことになります。その点においても声の出し方、話し方と、得るものが多かったです。

静岡県浜松市 小学校

  • 迫力ある演技と「本物」のすごさで、世界が広がるんだなあと思いました。一つのステージなのに、いろんな場面に見えてきて感動的でした。劇団員の表現力はすばらしいと感じました。やはり子どもたちには、このような劇を見せる価値があると感じました。子どもたちが劇をくいいるように見ており、集中した態度でした。

静岡県掛川市  小学校

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