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夏の庭

夏の庭
劇団たんぽぽ

演出からのメッセージ

青少年の読者として想定した文学では、これまで<死>は触れてはいけないテーマだった。それをこの作者は、大胆にも物語の出発点に据えた。そこがまずユニークである。
「死ぬってどういうことだろう」
「人はどんなふうに死んでいくんだろう」
「死んだ人はどうなるんだろう」
誰でも一度は考えるそんな疑問から、少年たちは、今にも死にそうな一人の老人に興味を持つ。しかし、彼らがそこで目にしたものは、<死>ではなく<生>だった。そして彼らが間違いなく<生>を手にした時に、本当の<死>がやってくるのである。
<死>と隣り合わせの老人そこが、<生>を生きている、そしてその<生>を支える火が若者に移されていく。これが『夏の庭』にも『ポプラの秋』にも共通の、湯本香樹美さんのテーマである。
重いテーマである。にもかかわらず、たとえば『夏の庭』の、この軽さはどうだろう。重いテーマだから軽やかに触れるのか、軽やかさを入り口にしないと重いテーマは語れないのか、どちらにしても読者は、軽やかな語り口にみちびかれ、人生の深淵を垣間見るのである。これが日本・アメリカで数々の賞に輝き、十ヵ国で刊行されたというのも納得できる。当然、映画化も舞台化もされている。
屋上屋を架することになるのは承知のうえで新しい舞台化に取り組んだのは、久野さんをはじめとするたんぽぽの若手たちの、『夏の庭』に対する、熱狂的な共感に感動をおぼえたからである。これなら、先行作品がいくらあっても新しい何かを付け加えることになると思った。彼女たちもおそらく、軽さを通してしか重さに迫れない世代なのだろう。
この共同作業から、新しい劇作家がひとり生まれたといわれるような、そんな公演にしたい。そのためにはぼくもまた、軽やかな語り口を身につけなければならないだろう。

【演出:ふじたあさや】

お話

「人が死ぬってどういうこと?」ある夏、
少年たちが体験した、夜空を焦がす命のバトン

「死んだ人って見たことある?」
木山と河辺は息をのんだ。山下はお祖母さんの葬儀に行ってきたのだ。
「人は死んだらどうなるんだろう」「死ぬときはどんなことを思うんだろう」疑問は、つぎつぎと湧いてきた。
「いいことがある。あそこの家に、今にも死にそうなじいさんがいるだろう。あいつが死ぬのを見届けるんだ」
見張りを続けているうちに、三人は、いつしか老人に見られていることに気づく。そして老人と同じ時間を共有するようになった三人が見たものは・・・?

夏の庭
原作:湯本香樹美 脚本:久野由美 演出:ふじたあさや
音楽:佐藤容子 美術:矢羽田輝伸 照明:坂本義美
音響:山北史郎 衣装:山土井志麻 制作:上保節子
舞台写真
宝さがしはふたりで 舞台写真
夏の庭 舞台写真
夏の庭 舞台写真夏の庭

感想

子ども達から届いた感想

今日、私は劇団たんぽぽさん達の『夏の庭』を見て、ものすごく感動しました。始めは遊び半分だった3人の男の子もどんどんおじいさんと友達になっていけていた所がとても印象的なお話でした。最近、あのような一人暮らしのお年寄りをよく見かけます。「きったない家やな。こんな家に誰か住んでんのかな?」と私もよく言ったりしていました。でも、この劇を見て、「こういう人もいるんだ。いくら同じ地球にすんでいるとしても、みんながみんな、私達のように、お父さんやお母さん達と住んでいるんじゃないんだ。」とあらためてそう思いました。この劇団たんぽぽのみなさんは真剣になって私達に劇を見せて下さいました。私達も、あそこまでうまく出来ないと思うけど、文化祭での劇でみんなで“いいもの”に作り上げていきたいと思います。

彦根市 I中学校 1年生さん


どんな話か、楽しみにしていました。見てみると、今、生きていることについて、考えさせられました。死ぬことを、ばかにしている人は、いけないと思います。人間は、いつか死んでしまうけど、たった一つの命を大切にしたいと思います。
劇団たんぽぽのみなさんが、今日まで、一生懸命、練習して下さったことを感謝しています。
中学生にぴったりの劇だったと思います。もうすぐ文化祭があり、私は音響の仕事にあたっています。劇のイメージをくずさず、がんばりたいと思うので、応援してください。今日は、本当にありがとうございました。

彦根市 I中学校 1年生さん


人間は、死んで焼かれて小さな骨になるなんてそんなに深く考えたことはありませんでした。知っていたけど、あの3人のように、よく考えてみると怖くなってきました。
あの3人はおじいさんの死を見るために行ったのに、いつのまにか仲良くなって死のことなんか何も考えなくなった。でも実際おじいさんが死んでしまったら、悲しくなりました。人間はいつか死ぬけど、おじいさんのように3人と楽しく過ごして死んでいったのは少し幸せかな……とおもいました。
死について考えさせられた。死のことなんてあんまり考えたくなかったけど、命の大切さがわかりました。感動した。

彦根市 I中学校 1年生さん


とても心に残った劇でした。3人の中学生たちが、死ぬところを見ようとしていたおじいさんと友達になっていくストーリーでした。最後におじいさんは死んでしまったけど、おじいさんはあの3人と出会えて楽しかったと思います。
「いのち」についてかんがえてみました。みんないつかは死ぬけど、その後どうなるのかは死んだ人にしか分からないし、とても死ぬことは怖いことだと思いました。でも死んでもだれかの心の中に生きていればいいと思う。あの3人の中学生もおじいさんが心の中に生きていると思います。

彦根市 I中学校 2年生さん


私の家はお寺なので、町の人が亡くなるとお葬式を出す。休日とはにあった時、私も出たことがあります。でもその時はまだ小さくて「人が死ぬ」ということがどういうことなのかわかっていませんでした。私が生まれてから今まで、私の家族が死んだことがないので、とても強いさびしさなどを感じたことがありません。この間、おじいちゃんの兄弟の方が亡くなって、その後しばらくおじいちゃんはとても元気がありませんでした。今までずっと一緒に生きてきた兄弟が死ぬので私の想像以上に悲しいことだと思います。「自分が完全に死ぬのはだれからも存在を忘れられたときだ」と書いてある本を読んだことがあります。死んでも誰かの心の中に生き続けれるって意味だけど人が死ぬと今までしゃべったりしていた人と何も接することができなくなってしまいます。今日の劇を見て、「生きる」ことと「死」について、また深く考えることが出来ました。

彦根市 I中学校 2年生さん


私は最近おじいちゃんをなくしたので、この話はおじいちゃんをなくした出来事とかぶって、すごく悲しい気持ちになった。あの少年3人はすごくやさしくて、おじいさんはずっと1人で生きていたから、しゃべる人ができて、すごくうれしかっただろうなぁ、楽しかっただろうなぁと思った。「死」についてたくさんのことを学べた。死というのは、人生が終わるということで、思い出を作ることもできないし、何も感じることができなくなるということ。すごく恐いことだと思った。
自分もいつかは、死ぬんだ。だから精一杯生きたい、と感じることができた。生きるということはすごくすばらしいことだなぁと思う。人を殺す人が多い世の中、そんなものがなぜあるんだろう?と不思議になる。私がそんな人の気持ちがわからない。みんながんばって生きているのに…。もっといろんな人に「死」ということをわかって欲しいと強く思った。

彦根市 I中学校 2年生さん


劇を見てとてもよくて、感動しました。命の大切さや人の優しさがとても、伝わってきました。はじめは、おじいさんがかわいそうだなぁなどと思っていたけど、途中らへんからは、少年3人はとてもいい人たちだなぁと思いました。少年たちは、おじいさんの死ぬところを見たいと言っていたけど、最後には、おじいさんと仲良くなっていたし、少年3人も、とても優しくなっていて、とても感動しました。今日の劇はとても、よかったです。生きる楽しさや命の大切さも分かりました。そして、劇が終わってから、控え室によせて頂き握手までしてもらいとてもうれしかったです。また来て下さい。これからもがんばって下さい。今日は本当にありがとうございました。

彦根市 I中学校 2年生さん


「死ぬ」ということを今まで深くは考えたことはあまりなかった。私の周りも親しい人が亡くなったことはなかったから。舞台の中で3人がいろいろな疑問を投げかけているとき私も本当にそうだとうなずきながら聞いていました。「人間は死ぬとどうなるか」その答えは舞台を見たら分かるだろうと思って見ていた。でも舞台を見終わってからの一番に感じたことは「死ぬ」ことよりも「生きる」ということの強さちか大切さとかの方が強かった気がする。3人とおじいさんのやりとりを見ていて生きるということはただ息をするだけじゃなくてたくさんの経験をしていろんな自分を見つける旅みたいなものなのかなあと思った。そして死ぬということはそれによって決まっていくのだと思う。ただ息をしていた人は息をしなくなるだけだという風に。だから、これからは自分さがしを一生懸命して死ぬことが息をしなくなるだけにならないように、私らしい人生を送りたいと思った。

彦根市 I中学校 3年生さん


最後、おじいさんが死んだとき、ぶどうが4つあった時、なんともいえないような気持ちになった。みんなでぶどうを食べようと思って待っていた時のおじいさんの気持ちを考えると…胸がつまりそうになった。終わったあともそのことが頭をはなれず、おじいさんの気持ちをずっと考えていました。おじいさんは、子供たちと会えて、うれしかったんだと思いました。いつも、きつい言い方とかしてたけど、心の中では、子供たちには、ありがとうちか言いたかったんだと思います。
一人ぼっちでも、生き続けていたおじいさんは、すごい人だと思った。おじいさんからは、生きていくという大切さ、命の大切さを考えさせられました。死のうとか考えるのは、死にたくないのに死んでいった人たちに、とても失礼な事だと思うので、僕たちは、命のあるかぎり、ずっと生きていかなければならないと思いました。

彦根市 I中学校 3年生さん


あのおじいさんは、最初はガンコそうに見えたけれど、戦争の事件などや奥さんともう会えないことにより本当はとてもさびしかったんじゃないかなぁと思った。中学生の3人をからかったりしていたのもまた心ぼそくて相手にしてほしかったんだと思う。
それから、おじいさんの事で先輩の2人に立ち向かった3人はおじいさんのためにすごいなぁ…と思った。
あの最後におじいさんが死んでしまったシーンは、すごく感動的だった。そして私は“命”の大切さを知ることができたと思う。文化祭でも、今度は自分たちが相手に感動させられるように、精一杯がんばりたいです。あの4人で植えたコスモスがいつまでも咲いているといいなぁと思う。

彦根市 I中学校 3年生さん


先生方から届いた感想

「死」という重いテーマに正面からとり組んだ作品でした。今の中学生は昔に比べ「死」や「生」を軽く受け止めている傾向が感じられます。しかし、その重いけど、とても大事なテーマを中学生にもわかりやすい形で上演していただきました。劇の中の少年も、始めは興味本位でとらえていた死でしたが、人間としての心のつながりができる中で、「死」をしっかり見つめる事が出来るようになりました。生徒達もこの劇を通して「死」について、それぞれ真剣に考える事が出来たと思います。

彦根市立 I中学校


劇の内容がわかりやすく、生徒達も舞台に引き込まれていたようでした。劇場内を利用された構成で、役者の方々を身近に感じながら観賞する事が出来ました。登場人物が中学生の少年という事で共感でき、おじいさんとの関わり、おじいさんの死との直前で感じる事も大きかったようです。今回の演劇は大変良かったと思います。

彦根市立 N中学校



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