・いつもながら、たんぽぽの活力あふれる劇には元気づけられます。今回も話の内容だけでなく、せりふや動作の一つ一つに力強さを感じ、勇気をいただきました。
特に音楽のリズムにのったうきうき感や楽しい体の動きもあり、いろいろな楽しみ方ができました。
また、いつもの人情あふれる場面もあり、暗い体育館の中で思わず目頭をおさえていました。
きっと楽しい中にも、人の心を思う優しさに子どもたちの心もゆさぶられたことと思います。
静岡県 浜松市 M小学校
先生から届いた感想
子どもたちから届いた感想
・「めざせ!秘密のコッパ島」はカッパのかじにホタテ貝の貝がらをとどけてあげたいおじいちゃんのかじへの思いやりと、かじとおじいちゃんのために勇気をふりしぼってコッパ島へホタテの貝がらをとどけに行った大和のおじいちゃんへの思いやりがありました。だから海の神様も大和がコッパ島へ行くことをゆるしてくれたのかなぁと思いました。今年の劇はやさしい気持ちがいっぱいつまったとてもいい話だと思いました。
静岡県 浜松市 M小学校5年生
・「めざせ!秘密のコッパ島」はヤマトくんとショウタくんがぼうけんするお話でとてもおもしろかったです。とくにわたしがおぼえているのが、おじいさんが、熱を出しながらもカジのことを思っていたところです。とても心があたたかくなりました。それにおもしろかったのが、リョウさんが「おれも行きたかったのに。」と言っていたのがおもしろかったです。ほたてがっぱ様とか、カッパのお話がいっぱいあったのでカッパが少し好きになりました。カジにほたてのからを最後にとどけられてよかったです。久一じいさんの願いがかなったことがなによりもうれしかったです。最後にヤマトくんとハイタッチしました。たのしかったです。
静岡県 周智郡 M小学校6年生

演出のことば ふじたあさや
この劇を見ると、きっと、「カッパなんていないのに、いることにしてしまう〈劇団たんぽぽ〉は、けしからん」と思う子が出てくることでしょう。先生方の中にも、そう思う方がきっといるにちがいありません。そう思うのは当然です。カッパなんていないんですから。いったいカッパとは何なのでしょう?
「遠野物語」という、岩手県遠野地方の昔話を記録した本の中に、こんな話があります。ある男が、馬を川に連れて行って洗っていると、突然馬があばれだして、走ってうまやへ帰ってしまいました。行ってみると、うまやの片隅にカッパがかくれています。馬を川へひきずりこもうとして、飛びついたとたんに、馬が走りだしたので、降りるに降りられず、連れてこられてしまったのです。男はカッパを殺そうとしますが、カッパが必死に命乞いをするので、可哀想になって助けてやります。それからというもの、戸口を開けると、必ず川の魚が戸の外に置いてあったそうです。命拾いのお礼に、カッパが持ってきたのでしょう。
似たような話は、実は日本中にあります。もともとは、川に溺れたり、怖い思いをしたりするのを、「あれは〜のせいだ」と説明するために言い出したのでしょうが、やがて川の神の愛すべき仲間として、畏れながら愛される存在になりました。
それにしても、こんなに愛すべき生き物を考えついて、こんなにたくさんのお話を作ってしまうんですから、先祖たちの想像力は大したものです。
この劇の原作者・白金ゆみこさんは、そういうカッパを、現代の風景の中に置いたらどうなるか、試してみたかったのだと思います。試されているのは、君たちです。君たちが先祖たちに負けない想像力の持ち主かどうか、目に見えるものしか信じない「つまらない」人間かどうか、作者は試しているのだと思います。
ちなみに,白金さんが住んでおられる釜石市の峠一つ向こうの隣町は、「遠野物語」の里・遠野です。
ぼくたちの夏休み。
行こう!だれも行ったことのないふしぎな島へ。
ぼくたちなら、きっとできるよ!
トップページ 主な上演作品
原作/白金ゆみこ(あかね書房刊)
脚色/松下哲子 演出/ふじたあさや
音楽/遠山裕 美術/池田ともゆき
衣装/中矢恵子 振付/酒井麻也子
照明/坂本義美 音響/山北史郎
制作/上保節子
おはなし
夏休み(なつやすみ)を田舎(いなか)のじいいちゃんちですごすことになった小学校(しょうがっこう)5年生の大和(やまと)
じいちゃんのすむ町には、海がある。その海のまん中にだれもいったことのないふしぎな島があった。名前は「コッパ島(こっぱじま)」。
「だれもいったことないなら、いってみたいなあ。」という大和。
でも、ばあちゃんにも、地元(じもと)のともだち将太(しょうた)にも
「バチがあたる」ととめられてしまう。
そんなある日、大和はじいちゃんから「むかし、じいちゃんは、うちの蔵(くら)の中でカッパにあったことがある。」ときいてびっくり!
また、よっぱらいじいちゃんのいつものうそ話かなとおもっていたが…
つぎつぎとこの地(ち)につたわるカッパのはなしを耳にし、「もしかして!」としらべはじめる。
そしてついに、大和は、蔵の中で「ある物(もの)」を見つける。それはじいちゃんのともだちがわすれていったというだいじなものだったのだが……。
「これかえさなきゃ。おねがい、将太、いっしょにコッパ島にいって!!
大和は、将太をさそい、コッパ島をめざす。
コッパ島にいったいなにが!?
じちゃんのはなしはほんとうだったのか!?
大和と将太の冒険(ぼうけん)の夏(なつ)がはじまる!
<新作>